「不動産が高く売れる!」は本当か?

不動産を売りに出すと、いつ売れるのか、売出価格が適切だったかなど、いろいろと心配になります。日ごろは気にすることもなかった不動産広告が目につき、自身が売り出している物件と比較することも・・・。そんな時に「もっと高く売れる」と言われると心が揺らいでしまう事あるでしょう。
でも、「不動産が高く売れる」という誘いは本当なのでしょうか?
「不動産が高く売れる」という誘いには「高く売れると言ってやってくる不動産会社」と「不動産が高く売れるというネット広告」の2種類あります。

高く売れると言ってやってくる不動産会社

相続手続きを終えたり、他社で売りに出していると、「弊社で売らせてください」とやってくる業者がいます。相続手続きを終えるとやってくる不動産会社は、法務協で「不動産登記受付帳」というものを閲覧して、最近登記した人を調べてやってきます。他社で売り出すとやってくる業者は不動産業者のみが見ることができるREINS(不動産流通機構)というネット上の情報を見てやってきます。どちらも魔法を使っている訳ではなく、だれでもアクセスできる情報を使ってやってきます。この様な業者の中に「弊社ならば(あなたの不動産を)高く売れます。」といってやってくる者がいます。

「不動産が高く売れています!」という広告

不動産を売りに出していたりすると、スマホなどに「あなたの地域の不動産が高騰しています!」などの広告が表示されます。これらは、検索履歴などからプッシュ広告として表示されているもので、実際には、土地価格が高騰していることなどなくとも、誘い文句として表示されます。

「高く売れる」がデタラメな理由

バブル時には高騰していた土地価格も、ほとんどの地域で今は見る影もありませんが、熊本県菊陽町では、世界的な半導体メーカー「TSMC」の工場が開所したことで土地価格が高騰し“半導体バブル”と呼ばれています。このように、不動産に定価はなく、需要と供給のバランスで価格が決まります。「でも、もしかしたらウチの不動産があるところは価格が高騰しているのでは?」と都合よく考えてしまう人もいるでしょう。でも、その場合はどの不動産会社が扱っても高く売れます。どこか一つの会社だけが特別に高く売れるといったことは起こりえないのですし、何の理由なく土地価格が高騰することなど有り得ません。

「不動産が高く売れる」という業者や広告の狙い

これらの不動産会社は、どんな手を使ってでも不動産の媒介契約を取りたいが故に、「不動産が高く売れる」と嘘までつきます。ネット広告業者は、そんな不動産会社に誘導するために、ありもしない「不動産価格高騰」を謳い消費者を誘い出そうとします。

一般消費者は、不動産売買をすることが、そう何度もあるわけではありません。悪意のある業者は、消費者が不動産に関して殆ど知識がないことを利用して、ありもしない「不動産価格高騰」で契約を狙います。
しかし、依頼したが最後、ありとあらゆる方法で契約から逃れづらくし、最後には安い値段で不動産を手放さざるを得なくなったという人もいます。
高く売れるという業者ではなく、公的な資料や周辺価格を示して適切な価格を提示してくれる業者を選び騙されないようにしましょう。

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